ずいぶん見ている、何百回となくさ
じゃあ訊くが、そこの階段は何段あるかね___S・Holmes asked.
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花もはじらう
診断メーカー(inツイッター)の結果:
aki_cherrieさんは、「早朝の階段」で登場人物が「見上げる」、「花」という単語を使ったお話を考えて下さい。 ttp://shindanmaker.com/28927
にしたがって小話一つ。
aki_cherrieさんは、「早朝の階段」で登場人物が「見上げる」、「花」という単語を使ったお話を考えて下さい。 ttp://shindanmaker.com/28927
にしたがって小話一つ。
目を開いたとき、部屋はまだ薄暗かった。家人はすでに起きているのだろうが、堅固な扉は音を通さない。このくらいの時分に目覚めるのは珍しく、カーテンから覗いた空は不思議な色をしていて、広い庭は静謐な空気を湛えていた。足は自然と部屋の扉に向かった。
自らの暮らす屋敷の庭を、まるで全く見知らぬ土地を歩くように恐々と踏みしめる幼き伯爵子息の姿を認めて、庭師は礼をする。肩を震わせた少年が、やがて庭師が手入れをしていた花壇に惹かれて寄ってくるのを、庭師は穏やかに見ていた。
立ち尽くし、払暁の気配をその身で感じていた少年は、朝露がひかる可憐な花を庭師から受け取ると、片手に握って駆け出した。とうに朝を迎えている。こっそりと屋敷に戻り、中央の大階段の下に辿りついたとき、上から落ちてきた小さな声にはっと顔をあげた。
屋敷の扉の上の大きな窓から注いだ光は大階段の二階踊り場を眩く照らしていた。そこに少女が立っている。片手に握った花をこっそりと確かめて、少年は小さく名前を呼んだ。聞きとめた少女が少年の名前を呼んで、にっこりと笑う。
その瞬間、あれほど輝いて見えた手の中の花が急に見劣りしてみえて、少年はさっと背後に隠したが、跳ねるように階段を降りてきた少女が窺うようにしたので、恐る恐る差し出した。そして少年は安堵して笑う。少女が花の笑顔を見せたので。
end
post script
初めはサザ八重が浮かんだけど思い直した。名前は全く出てこないけど、幼少期のリディアとヴィータです。庭師は庭師。
最後の一文が気に喰わない。なんか違う。
花も恥じらうような笑顔を見せられて、綺麗に見えた花が色あせて見えたんだけど、差し出してみたら少女が、少年の好きな花のような笑顔を見せてくれたからああよかった、っていう話。説明しちゃったよ。
「早朝の階段」でもう一つ思ったのが、持参の花を花瓶に生けて階段を下りてくる少女に、珍しすぎるくらいに早く登校した少年が遭遇する話、でまたオチは花の笑顔なんだけど、ところで学校って朝何時くらいから開いてたかな……私も数回、玄関が開くより早く登校した記憶があるような。6時くらいだろうか。
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COMMENT
無題
最後の一文は、私が書くなら
「少年は笑った。少女の花の笑顔に安堵して。」とかになるかなと思いました。
特に字数制限ないようなので、
「花のようにふうわりと、微笑む少女に安堵して。」
とか色々考えるの愉しいですね笑
勝手に弄ってすみません><
無題
なるほど、考えれば考えるだけありますね。
最後のワンツイート、前半の一文はちょう長いのに後半二文は短かったり。
短文ならリズムも大事だなーと思った書き物でした(笑)